「うわっ!暗っ!」
副長の部屋から漂うオーラは暗く淀んでいる。あまりの強烈さに山崎は運ぶお茶を落としそうになった。
「失礼します、副長……副長?」
布団の中で丸くなっている物体。あれが、まさか……副長か。
布団からはじめじめしたオーラが。あすこに椎茸でも生えるのではないか。
「副長、起きてくださああああああい!!」
ばふん、と布団をはぎ取る。なんだこの副長あるまじき姿。いじけた子供にしか見えない。
「とりあえず万事屋に行かれてはどうですか。来るな、と言われたわけでも無いんでしょう」
「けど、俺が行ったらせっかくの子供の日に迷惑かけちまう」
「旦那はそんな人じゃないでしょう。副長が一番よくわかってるはずです」

山崎に押されずるずると土方は万事屋に向かった。後ろ姿はまるでナメクジのようだった。




階段を昇り、万事屋の前。
土方は遂に足を止めた。インターホンが鳴らせない。怖い。帰れ、と言われたらどうしよう。
刀をぐっ、と握り締めた。他の女と一緒だったら、銀時を殺して俺も死ぬ。
迷っていると、いきなりガラッと戸が開いて銀時が現れた。
「おひさ、土方」
「あッ……」
いきなりの抱擁に土方は固まってしまう。
「待ってたよ?」
「ぎ、銀時……」
土方もようやっと銀時の背に腕を回した。
「俺、今日、いていいのか」
「土方の日なんだから当たり前でしょ」
そう言われ、頭を撫でられた。なんて気持ちよいのだろう。
「今日はがっつり土方に精をつけてもらって、朝までしっぽりしけこむつもりだから」
前髪を掻き上げられ、額にキスされた。
刀がガラン、と滑り落ちた。
「銀時……」
「ん?」
「ご飯の前にも、少し運動したい」
顔を赤くして言う土方を見て銀時は笑んだ。

「少しで終わらせる自信はねェよ、久しぶりだからな。めちゃくちゃに抱いてやるよ」
土方も満足そうに銀時に向けて微笑んだ。




しれば迷いしなければ迷わぬ恋の道




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